探検部

　『関野吉晴グレートジャーニー対談集』読了。

　由緒正しい探検部の本。学生時代カシュガルに行ったときに、九州大学探検部の子たちが、「探検とは何か」と夜熱心に話し合っていたのを思い出して、懐かしくなった。関野さんには一度だけお目にかかったことがあるが、小柄でもの柔らかで、とてもとても10年かけて人類の移動した道をエンジンカーなしで踏破しようなんていうとんでもないことをしそうな人には見えない。笑顔が優しそうで、年齢不詳だった。でも、こういう人だから、どこに行っても警戒心を持たれず、受け入れられたのかなとも思える。
　対談の内容は示唆に富んでいて、文化人類学的な興味もさることながら、人と自然・人と文明についてすごく考えさせられる。相手も、京大霊長類研究系の人から少数民族の人、歌手、落語家といろいろだけど、関野さんの頭と人柄の良さがよく出ている。対談集最後の、「グレートジャーニー応援団」の部分にも感動した。この世代の人たちは、やっぱり「連帯」するんだなあ。関野さんがモンゴルで出会った少女の映画『プージェー』を見たいんだけど、これはやっぱりＤＶＤを買わないと、どこにもなさそうだなあ。

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