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大陸の夢 [本]

 佐野眞一『阿片王 満州の夜と霧』読了。

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 ハードカバー443pの大作ノンフィクション。あんまりおもしろくて、一度電車を乗り越してしまった。
 日本人が中国人と対等かそれ以上に闘えたのはこの時期だけなのかな、と思う。阿片の密売というとんでもない悪行で巨万の富を得ながら、それを少しも私することはなく、酒は一滴も飲まずに女性にモテモテ……東亜同文書院を出て中国語は自家薬篭中。東京裁判で極刑を免れて、鎌倉で20年という長い余生を送り、その間に初めての男児をも得る。こういう時代がなければ生まれなかった人物だとは思うが、とんでもない人間がいたものだと思う。ただ、その阿片王にやはり最終的に勝ってしまったのが、底知れぬ大きさを持つ大陸なのだな。
 また、この時代男装の麗人は川島良子だけじゃないというのもわかって、そのあたりもまた興味深い。この梅村淳という人物については、作者は一所懸命取材しているが、最終的に追い切れず、その下半身はやはり大陸の闇に溶けている。
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コメント 4

green_blue_sky

専門書以外は読まないですね・・・
ココアちゃん首に流星マーク、科学捜査隊所属かな(^▽^)
by green_blue_sky (2011-04-03 21:56) 

あーる

私は、ジャンルはあまり問わずに何でも読みまくっています。
ココアちゃん、さすがに科学特捜隊は年齢的に知らないかも……。
by あーる (2011-04-03 22:00) 

marie

電車を乗り越してしまうほどおもしろい本なのですね。

by marie (2011-04-03 22:42) 

あーる

あくまでも当社比ですが(笑)。とてもスケールの大きなノンフィクションでした。
by あーる (2011-04-03 22:58) 

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