人生の同行者

　小田実『オモニ太平記』読了。

　2007年に亡くなった小田実といえば、容貌魁偉で「べ平連」だが、奥様（「人生の同行者」という書き方）が在日二世の方とは知らなかった。作者の義母となったオモニと義父となったアボジとの生活、その言葉、考え方などをさらりと書いていて面白い。字も読めないし、あくまで習い覚えた「オモニ語」ともいうべき日本語・朝鮮語チャンポンの言葉を話すオモニだが、長く二重の文化の中にあっただけの重みや、案外と自由な世界観があって、面白い。捨てられない物と、捨てても良い物、取り換えても良い物など、取捨選択して生きていけばいいのだな、と心が軽くなる。

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