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まとめて3冊 [本]

 木内昇『茗荷谷の猫』読了。
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 歳下の人だというが、何というか文章が格調高くて(当社比)美しい。ソメイヨシノを交配した職人(江戸時代)から、現代に至るまでを連作短編にしている。絵描きになった妻と、浪曲師になりたい夫の章が気に入ったかな。

 平松洋子『おんなのひとりごはん』読了。
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 エッセイなのかと思ったら、そうではなくて、一つ一つ短編の物語になっている。鮮やかさは杉浦日向子の短編にはかなわないと思う(というか、別物)。『ひとりごはん』というのは、ひとりものの女が食べに行くご飯ではなくて、夫や恋人がいても、とにかく一人で好きなものを食べに入るためにお店に入ることを、ここでは指している。一人で店でめしが食えない女って、けっこういい年してもいるからなあ。何でできないのかしら。巻末のガイドもまあまあ参考になりそう。

 森沢明夫『津軽百年食堂』読了。
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 今、オリラジの子が主演で映画になってる、あれ。青春小説で、いいストーリー展開なんだが、この書き方のむずがゆさというか、気恥ずかしさというか、そのへんが「おいおい」だ。これも巻末に本当に津軽で百年続く食堂のリストが載っていて、使えるけど、津軽そばって、なんかあんまり好きじゃなかったなあ。10割そばでぶつぶつ切れるっていわれても……何がいいのかよく分からなかったし。他にもうまいものあるし。
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hisa

「茗荷谷の猫」読みました。
しっとりしていて、いいですね。
by hisa (2011-05-28 09:15) 

あーる

hisaさん
すごい劇的なドラマはないんですけど、じわっと印象に残るというか……ザクロの色がすごく鮮やかに思えました。
by あーる (2011-05-28 09:41) 

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