ボランティア報告(その2) [現場]
作業2日目(6/3)は、釜石に向かいました。
釜石は、新日鐵釜石等でお馴染みですが、大きな観音像があり、昔親戚が住んでいました。その親戚が来るときに買ってくる「観音パイ」というお菓子が美味しくて、楽しみだったものです。
盛岡から釜石までも2時間以上かかります。
釜石は役所がかなり破壊されてしまって、行政機能が弱っているとのこと。VC近くの広場のようなところに、自衛隊のテントや車両、そして特設のお風呂がありました。
この日は午前中は、アート引っ越しセンターさんに協力して(?)、避難所となっている小学校の体育館から会議机を運び出し、別の場所に移すというへんてこな作業でした。もっとも、アート引越センターさんもボランティアでやられているのでしょうが。
運送屋さんみたいなことをやっているわけで、会議机を30ばかり、廃校となった橋野小学校というところに運び込む作業は、ものの30分ほどで終了です。あまりに拍子抜けだったので、そこにいった釜石市のボランティアの方お二人に他にやることはありませんか、とお尋ねしたら、それなら橋野小学校の体育館の床にブルーシートを敷く作業を手伝ってください、とのこと。
大きなビニールシートを床に敷き詰め、ガムテープで留めていきます。2人でやったらきっと2時間くらいは掛かる作業ですが、みんなでやったので、あっという間にキレイに敷けました。この体育館は避難所にするのではなく(かなり古い建物でした)、被災地から見つかった思い出の品の展示場にするのだそうです。
展示場は、近くの廃墟となった大型ドラッグストアにあるというので見に行ってみると……
見た目はがれきでありゴミであっても、元の住民にとって何一つゴミはない、と最初にNPOの方々に言われました。だから危険防止の観点からだけではなく、ものを投げて積み上げるようなことはするな、と。
午後は、コンデジ不調(水かぶっちゃいました)のため写真はありませんが、おばあさんのおうちの畑の片付けものです。おばあさんの家はさほど海に近いわけではないのですが、鮭が遡上してくるようなキレイな川が近くにあり、そこに下流から流れてきた家が水をせき止めてしまい、堤防を越えてあふれ出した水が畑に流れ込んだとのこと。ここにも昨日同様、様々なものが流れ着いていて、つい最近にもご遺体が発見されたりしているそうです。
作業開始前にみんなでストレッチをしていたら、おばあさんが「キャー!」と畑で悲鳴を上げました。何ごとかと尋ねると、「蛇が出た」とのこと。「殺しちゃって!」というご依頼はさすがに受けられず……。
蛇だけではなく、熊も鹿も出るとのことで、畑の鹿よけに張っていた網が水で倒されてしまい、「できれば張り直してほしい」ということだったのですが、さすがに太い杭や大きな網は素人の手には負えませんでした。
「畑にカボチャを植えて、近くに鹿の嫌いなコスモスやマリーゴールドを植えたんだけど、ある晩鹿が親子で列になってやって来て、首をうんと伸ばしてカボチャを食べてしまった」(おばあさん談)とのこと。
また、おばあさんによると、畑に衣類や布団が落ちていると、「そこに人(ご遺体)があるのではないかと思って、怖い」とのこと。まだ行方不明者がたくさんいる状況では、無理からぬことです。
おうちには柴犬系のかわいい犬が一匹飼われていて、郵便屋さんや宅急便やさんには吠えるけど、介護の人には吠えないとのこと。作業が終わって、我々が犬に会いに行ったときも、このお利口な子は吠えませんでした。
釜石は、新日鐵釜石等でお馴染みですが、大きな観音像があり、昔親戚が住んでいました。その親戚が来るときに買ってくる「観音パイ」というお菓子が美味しくて、楽しみだったものです。
盛岡から釜石までも2時間以上かかります。
自衛隊特設「すずらんの湯」。真ん中の白いテントに青いのれんが出ています
釜石は役所がかなり破壊されてしまって、行政機能が弱っているとのこと。VC近くの広場のようなところに、自衛隊のテントや車両、そして特設のお風呂がありました。
町中の様子。かろうじて道は通れます
この日は午前中は、アート引っ越しセンターさんに協力して(?)、避難所となっている小学校の体育館から会議机を運び出し、別の場所に移すというへんてこな作業でした。もっとも、アート引越センターさんもボランティアでやられているのでしょうが。
運送屋さんみたいなことをやっているわけで、会議机を30ばかり、廃校となった橋野小学校というところに運び込む作業は、ものの30分ほどで終了です。あまりに拍子抜けだったので、そこにいった釜石市のボランティアの方お二人に他にやることはありませんか、とお尋ねしたら、それなら橋野小学校の体育館の床にブルーシートを敷く作業を手伝ってください、とのこと。
大きなビニールシートを床に敷き詰め、ガムテープで留めていきます。2人でやったらきっと2時間くらいは掛かる作業ですが、みんなでやったので、あっという間にキレイに敷けました。この体育館は避難所にするのではなく(かなり古い建物でした)、被災地から見つかった思い出の品の展示場にするのだそうです。
展示場は、近くの廃墟となった大型ドラッグストアにあるというので見に行ってみると……
立ち入り禁止の黄色テープの貼られた建物の中に
ランドセルやアルバムなどが無造作に置かれていました
見た目はがれきでありゴミであっても、元の住民にとって何一つゴミはない、と最初にNPOの方々に言われました。だから危険防止の観点からだけではなく、ものを投げて積み上げるようなことはするな、と。
午後は、コンデジ不調(水かぶっちゃいました)のため写真はありませんが、おばあさんのおうちの畑の片付けものです。おばあさんの家はさほど海に近いわけではないのですが、鮭が遡上してくるようなキレイな川が近くにあり、そこに下流から流れてきた家が水をせき止めてしまい、堤防を越えてあふれ出した水が畑に流れ込んだとのこと。ここにも昨日同様、様々なものが流れ着いていて、つい最近にもご遺体が発見されたりしているそうです。
作業開始前にみんなでストレッチをしていたら、おばあさんが「キャー!」と畑で悲鳴を上げました。何ごとかと尋ねると、「蛇が出た」とのこと。「殺しちゃって!」というご依頼はさすがに受けられず……。
蛇だけではなく、熊も鹿も出るとのことで、畑の鹿よけに張っていた網が水で倒されてしまい、「できれば張り直してほしい」ということだったのですが、さすがに太い杭や大きな網は素人の手には負えませんでした。
「畑にカボチャを植えて、近くに鹿の嫌いなコスモスやマリーゴールドを植えたんだけど、ある晩鹿が親子で列になってやって来て、首をうんと伸ばしてカボチャを食べてしまった」(おばあさん談)とのこと。
また、おばあさんによると、畑に衣類や布団が落ちていると、「そこに人(ご遺体)があるのではないかと思って、怖い」とのこと。まだ行方不明者がたくさんいる状況では、無理からぬことです。
おうちには柴犬系のかわいい犬が一匹飼われていて、郵便屋さんや宅急便やさんには吠えるけど、介護の人には吠えないとのこと。作業が終わって、我々が犬に会いに行ったときも、このお利口な子は吠えませんでした。
(つづく)
ふーん、犬にしちゃ賢いわね(ポ)
あーるさんお疲れ様です・・・・。
今回の震災がどれだけ多大な被害を生んだかということがよくわかります。
クマやシカの被害もあるそうですが初めて知りました。 人間に危害を加えないといいのですが。。。
動物もまた被災したんですものね。
生きていくのに必死なんでしょうね・・・・・。
by marie (2011-06-06 12:06)
marieさん
そうですね。自然の豊かなところですから。
NPOの方々に報告したところ、これまで蛇が出たという話はなかったとのことなので、暖かくなるにつれて活動が活発化したのでしょう。今後のボランティアはそういうところも気をつけないと……(マムシもいるんですって!)
by あーる (2011-06-06 12:41)
お疲れ様です。
ゴミの定義。改めて被災地で言われると、
自分の持ち物のことを考えてしまいますね。
by hisa (2011-06-06 16:39)
なるほど、いろんな作業をすることになるんですね。
この作業の一つ一つの積み重ねが、やがて復興に繋がるのかな?
by JUNJUN (2011-06-06 20:21)
hisaさん
普通の生活をしていれば何でもないものなのかもしれませんが、なくしてみると自分にとって大切なものってあるんでしょうね。1日目の作業では数珠を拾い、届けました。
JUNJUNさん
ニーズはどんどん多様化していっているそうです。たいしたことはできませんが、復興に向けて1ミリの歩みにでもなればいいんだと思います。
by あーる (2011-06-06 21:03)
釜石も凄い状況ですね。
本当にお疲れさまでした。
by TAKUMA (2011-06-09 04:45)
TAKUMAさん
市内の様子、想像以上に凄かったです……(涙)
by あーる (2011-06-09 12:21)
大切な人や場所を失ったときこそ、物に宿る思い出の価値って相当なものだと思います。
ブルーシートの上に、誰かの生きるよすがになるものがまた、並んで行くのでしょうね。
畑の布団が怖いというおばあさん、ゆっくりねむれているかなあ…。
by ネム (2011-06-09 18:24)
ネムさん
かわいらしいおばあさんで、我々のバスを最後まで見送ってくれました。元気で頑張ってほしいです!
by あーる (2011-06-11 15:39)