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猫もの2冊 [本]

 谷崎潤一郎『猫と庄造と二人のおんな』読了。
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 庄造は、猫[猫]のリリーをなめるように可愛がる。それに嫉妬する庄造の後妻・福子、そして自分のところにリリーがいれば、庄造がやってくるだろうと思って、これまでさして可愛がってもいなかったリリーを譲ってくれという先妻の品子。猫を中心とした奇妙な人間関係を描いて面白いが、あくまでこのタイトルと同様、「猫」がこの関係のトップにいる。何とも不思議な味わいの小説。短編だが、読めば読むほど発見がありそう。

 ポール・ギャリコ『トマシーナ』読了。
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 朝晩の電車で何度も泣かされる。で、すいすいと読めて、どんどん次が気になる。さすがに、名手。で、本人の好むと好まざるとに関わらず(?)、人を泣かせようとするA田次郎の小説とはまた違って、自然に泣かされてしまう。猫[猫]のトマシーナはあくまで狂言回しとして、これは、本当は人の心の「神」をどうとらえるかというテーマに挑んだ作品なのではないかな。ひどく無慈悲で合理主義の無神論者に見える獣医[病院]・マクデューイ先生も、実際には決して安楽死ばかりを勧める悪い人間ではなく、ちゃんと愛の心も持ち合わせているのだ。とにかく、泣いちゃうんだよなあ[もうやだ~(悲しい顔)]

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コメント 2

のらん

谷崎のコレって、映画にもなったんでしたよね?
観てないけど、小説はしみじみと味わいがありますね~
ポール・ギャリコは、猫語の教科書の人ですよね。
小説あるんだ~~~知らなかったです。でも、面白そう(^^)
by のらん (2011-08-05 22:21) 

あーる

のらんさん
私はおそらくポール・ギャリコの小説は他には読んでいないのですが、めちゃくちゃ面白かったです! 長いようですが、すーっと読めますよ。
by あーる (2011-08-05 22:34) 

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