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久々、ためて3冊 [本]

 町田康『猫にかまけて』読了。

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 猫好きは、みんな、読んでください! と言いたくなった。このパンクロッカーの芥川賞作家が、どれだけ猫にかまけているか……(っていうか、『猫の手帖』に連載したんだ……)。
「自分は猫が好きである。
 どれくらい好きかというと、例えば往来をしていて、駐車中の車の下に猫がいるのを見つけたとする。と、もういけない。その場にかがみ込み、見知らぬ通りすがりの猫に、文字通り字義通りの猫撫声で、可愛いな、かしこいな、と語りかけ飽かぬという体たらくで……」と、冒頭からめろめろになってしまう。同時に涙なしには読めない本で、横須賀線の中でちょっと苦労したけれど。

 幸田文『台所のおと』読了。

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言わずと知れた、幸田露伴のお嬢さん。小説だったり、エッセイ(?)だったりが納まった短編集だが、表題作が一番よかったかな。すべて昭和30年代後半から40年代前半に書かれたもので、繊細な名文だが、いかんせん、ちょっと古すぎて心情的によく分からない部分がある。

 さくら剛『インドなんてもう絶対に二度と行くか!! なますてっ!』読了。
 
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 前に読んだ『三国志男』に比べると、ちょっと感動が薄い。だって、インドってそんなもんだもの。でも、考えてみればほんとうに、10円20円を長いこと交渉して腹の立つような時間をかけて買い物してるのって、すげーなあと思う。他にやることいっぱいあるのに。で、私が行った20年も前と、作者の行ったわりと最近でも、まったく同じようなことしてんのな。ほんっと、疲れるんだよなあ、インド。また行きたいけど。

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コメント 2

hisa

「猫にかまけて」は、ぼくも紹介しようと思っていました。
電車で読むのはたしかに危険。
by hisa (2012-01-10 16:20) 

あーる

hisaさん
作者が本当に手放しに、猫が好きなんだということがよくわかる本ですよね。
この人の文学の方は、なんかあんまりよくわからないのですが……横須賀線で号泣しそうになりました。
by あーる (2012-01-10 22:01) 

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