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あこがれの地 [本]

 岡谷公二『絵画のなかの熱帯』読了。

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 海外における熱帯というと、ゴーギャンか田中一村くらいしか連想できなかったが、実際にはドラクロアやゴッホ、そして印象派の画家たちまでもが「熱帯」というものに大きな影響を受けていたことがわかる。温かく甘い風に、色彩の反乱は、北国に育った者にとって(少なくとも私にとって)たいへんな憧れで、沖縄にはけっこう行って見たりしたけれど、なるほどヨーロッパのさらに緯度の高いところで絵を描いてきた人たちにとって、アフリカやら南米やら、そして南仏でさえもがたいへんなカルチャーショックであり、ものすごい刺激だったんだろうな。印象派を見る目が変わりそう。

 加藤嘉一『われ日本海の橋とならん』読了。

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 なかなかにこれもタイムリーな本だが、割とすぐ借りられたのは、作者のテンションの高さに辟易してしまった人が多いからかも、と思ってしまう。確かに刺激的な本だし、作者は若き天才の一人なんだとは思うけれども……日本には長くいられない人だなあ。
 改めて中国におけるインターネットの力について納得させられたし、また新しく農民工でも学生でも知識層でもない「暇人」という、確かに言われてみればそうかなあと思うような中国の人の層については、目からウロコ。若者よ海外に出よ、という呼びかけも、彼が言うとかなり説得力がある。



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