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人皆苦労する [本]

 志川節子『春はそこまで 風待ち小路の人々』読了。

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 案外重厚で面白かった。最後はえらいこと大団円で、ここまで大団円な話は最近久しぶりに読んだような気もする。別にいいけど。
 谷崎光さんが、自分が北京を好きな理由に、「人がみんな苦労を経験していて、話が面白い」というのがあった。私はどちらかと言えば上海びいきだけれど、やはり首都に集まる人たちというのは、様々な苦労や過去を背負ってきているのだろうなと思う。それに比べると、上海は大阪みたいなもので、巨大な地方都市の感は否めない。北京の人は、「北京が一番」とはあんまり思っていないし。
 江戸時代の江戸の人たちもそうだったのかなー、なんて引き比べてみたりした。今いるいわゆる東京出身者は、すでにもう全然違うと思うけど。もっと東京出身にあぐらをかいて、しかもあぐらをかいていることにすら気がつかないくらいのほほんとしているので、なんか「ま、いっかー」という気になる。その分、なんかあんまり深みはないかな。これは、地方出身者の僻みなのでしょうか。



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