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緊張感のなさ [本]

  誉田哲也『シンメトリー』読了。

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 姫川玲子シリーズの連作短編。軽い読み物としては楽しめるけれど、やっぱりこの人物自体に現実味がないんだよな。

 市橋達也『逮捕されるまで 空白の2年7か月の記録』読了。

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 あの、イギリス人英会話教師殺人事件の犯人、当時千葉大生だった市橋達也の逃亡中の手記である。
 罪の意識がないとは言わないし、実際の逃亡生活はスリリングで波乱に満ちたものだったのだと思う。ただ、それが、素人の文章からは伝わらない。それどころか、なんだかのんびりとしたことばっかり考えているなあという部分ばかりが強く出てきてしまう。題材を生かせるかどうかは、文章次第なんだなあ、と当たり前だが思う。

 横山悠太『吾輩ハ猫ニナル』読了。

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 日本人の中国留学生による、中国人に読みやすい小説、という多分に実験的な要素をはらんだ小説。群像新人賞を取ったのは、別にそんな要素のせいばかりではないと思うけれども、なんだかよくわからなかった。いろいろいまどきの中国語を覚えるためには面白いし、勉強になるけれども。へー、フィギュアって、手弁っていうのか。


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