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流浪の民 [本]

 岡本綺堂ほか『サンカの民を追って』読了。

サンカの民を追って.jpg

 複数の作家の「サンカ」を描いた小説傑作選。
 最初に「サンカ」の何らかの本を読んだのは、大学に入りたてで史学研究会なんかにちょろっと顔を出していた時で、当時の自分の思い込み(というか、聞きかじり)は「日本人の原種」というもの。実際にこのルーツはまだおそらく明かされていないし、なぜ彼らが定住せずに山をさすらっていたのかも、いわゆる被差別民の始まりであったのか否かもわかっていないのだと思う(もっとよく調べれば、研究は進んでいるのかなあ。ある時期、サンカ研究ははやったらしいけど)。
 小説については、いずれも良くも悪くも法律・土地に縛られずに生きるサンカへのあこがれのようなものが通底しているのは感じた。ただもうヤマメを取ってくる少女、サンカの世界に入っていこうとする女乞食、そして仲間内に春をひさいで、病に倒れればそのまま獣のように死んでいく盲目の娘など、特に女性のドラマが強烈。


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