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バックパッカーの走りか [本]

 芦原伸『へるん先生の汽車旅行』読了。

へるん先生の記者旅行.jpg

 小泉八雲が日本に来るまでの彷徨と、日本に来てからの安らぎの日々を描いている。思った程鉄ちゃんな内容ではなかったし、ところどころセンチメンタルすぎる部分があったけれど、全体的には面白かった。それにしても、当時の日本人がほとんど英語で書かれた小泉八雲の作品を読むことはなかったというのが、致し方ない状況とはいえ面白い。どう思ったかなあ、ああいうの読んだら。
 再話文学というのは久々に聞いた単語だけれども、確かに『怪談』なども本当の元の話ではなく、小泉八雲の作品になっているんだよな。

 江國香織『きらきらひかる』読了。

きらきらひかる.jpg

 薬師丸ひろ子と筒井道隆の映画を見たけれど、原作はたぶん読んでいなかった。映画評は、たしかおすぎが「同性愛とアル中を同列に並べるなんて!」と憤慨していたように思う。確かにそう思われるだろうなあとは思うけれど……純愛度100%というCFはそうかもしれないけれど、ちょっとなんか現実味がない。

 又吉直樹『火花』読了。

火花.jpg

 書き出しが妙に気負っていて、「あー、やっぱり太宰好きな人だな」と思ったが、乗ってくると? 読みやすい。確かにこれは直木賞よりは芥川賞だと思う。かなりかなり、まともな小説。好き嫌いは別として。ほかの芸人さんの本とは相当水をあけて一線を画している。しみじみ面白かった。


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コメント 2

溺愛猫的女人

こんにちは

火花、私も読みました。読みやすくて新幹線の中で読み終わりました。芸人さんの本だし、いまいちかも?と思っていたのですが、さすが芥川賞受賞作です。
by 溺愛猫的女人 (2015-11-27 09:20) 

あーる

溺愛猫的女人さん
ほかにも何人か芸人さんの本は(よせばいいのに)読んだのですが、ダントツですね。
by あーる (2015-11-28 18:44) 

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