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ベルばらの世界 [本]

 中野京子『マリー・アントワネット 運命の24時間 知られざるフランス革命ヴァレンヌ逃亡』読了。

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『怖い絵』の中の先生のご著書。息詰まる逃亡劇……といいたいところだが、とにかくルイ16世がアホ過ぎて話にならない。この人がもうちょっとしっかりしていたら、とりあえずいっぺん国外逃亡ができたのかなあ、と思わざるを得ない。当時の肖像画もふんだんに口絵に入っていて楽しめるが、やっぱりフェルゼンってかっこよかったんだねえ。ただし、このころの人たちと庶民とのあまりの格差に愕然とする。革命は必然だったんだな、と思った。そりゃあ憎まれるわ、貴族。

 花村萬月『ゲルマニウムの夜』読了。

ゲルマニウムの夜.jpg

 芥川賞受賞作。今頃読んだが、思ったほど暴力横溢する小説ではなく、むしろきしょい系。この時の芥川賞は、割合小説的にわかりやすい内容だったようでよかった。優れた小説だとは思うけれども、なんだかこういう読後感の悪いのは、しばらくこの作者から遠ざかってしまいそうな……。

 山田静『京都で町家旅館はじめました』読了。

京都で町家旅館はじめました.jpg

 大学の同級生の著書。旅行が好きで、はやばやとサバイバル系旅行代理店に就職を決め、その後フリーで編集・ライターをやり、なんだかこの頃は町家旅館の女将(?)になったと思ったら、このコロナ禍でクラウドファンディングを立ち上げ、見事目標達成という……気持ち、協力しましたよ。
 山梨出身者を「あずま女」というのかどうかについては疑問が深い(のは、当時のクラスの人間の総意)が、京都って思うほど「いけず」じゃないみたいだな。


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コメント 6

溺愛猫的女人

京都=ぶぶ漬けいかがどす的な"いけず"文化って感じがどうしてもします。
ご学友が町屋旅館の女将ってすごいです!町内会に入れて貰えてるのかなぁ?
by 溺愛猫的女人 (2020-07-19 16:48) 

あーる

溺愛猫的女人さん
京都の中でも「鉾の立たない」堀川五条は、そこまで行けずされないようです。とはいえ、けっこう怖いエピソードはあるけれど。まあ、彼女は人の懐に入るのがうまいタイプではあります。
by あーる (2020-07-19 19:53) 

sana

中野京子さんの本は何冊か読んでますが、これは知らないみたい。
ベルばら関連はいくつか読んだので、事情は知ってます。
ほんと、ルイ16世がここまでアホじゃなかったら…と思いますよね。そして、フェルゼンに惚れるのは無理ない^^;
でもそれだけ、王家や貴族がかけ離れた生活をしていて、絶対王政は終わる運命だったのも事実ですね^^;
「ゲルマニウムの夜」は受賞後、読んでみました。その頃は受賞作は読むことにしていたのです。
今は…芥川賞は危険度高いから、やめてます。よほど好みに合いそうなのだけ^^;
お~お友達が京都で町や旅館?!
すごい実行力のあるかたですね~すごい^^
by sana (2020-07-20 20:15) 

あーる

sanaさん
フェルゼンのリアルに無残な最期にちょっとショックでした。池田理代子さんは、私が高校時代尊敬していた歴史の先生が、「アレはよく勉強している!」と感心していたのを覚えています。芥川賞、なんというか、傾向に波があるような。直木賞はまず間違いはないような気がしますが。町家旅館、この状況ではなかなか行けなくて、はがゆいです。
by あーる (2020-07-20 22:42) 

りる

ヴァレンヌ逃亡、去年読みました。
私もフェルゼンがあんなにデキる男だったとは知りませんでした。
ヘンな男の意地で計画通りに行動しない王様。
まったくもう!って感じですよね。
by りる (2020-07-21 01:32) 

あーる

りるさん
王様ってああなっちゃうのかなあ。ルイ16世、なんだか悲しいくらい優柔不断ですよね。一家の存亡を握るお父さんが、あの決断力のなさ! びっくりです。
by あーる (2020-07-21 14:03) 

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