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2002年まで、こんな? [本]

 バーバラチェイス・リボウ『ホッテントット・ヴィーナスーある物語』読了。

ホッテントット・ビーナス.jpg

 ずいぶん前から読みたかったのに、何故か手を付けられなかった本。ホッテントットがオランダ語であることも、この女性が映画でも有名になったブッシュマンの系列の人であることも、そして2002年までこの人が標本となって忘れられていたことも知らなかった。一人称を書き分けた小説仕立てだが、相当にショッキングな内容。周りの獣のような白人の中で、このサラ・バールトマンという女性の精神の高潔さが際立っている。

 中島京子『やさしい猫』読了。

やさしい猫.jpg

 特に猫の話ではないけれど、これも大変な話だなあ、と思う。最近読んだクルドの女の子の話も悲惨だったが、日本の入管ってどうしてここまで厳しいというか、意地悪なんだろう。職員が過労死するような過酷な現場だというのもわかるけれども……かなりの知的労働者の人たちでも、外国人が相当きつい扱いを受けるみたいだし。話としてはとても面白かったが、辛いところもたくさんあった。

 長嶋有『猛スピードで母は』読了。

猛スピードで母は.jpg

 芥川賞候補作。芥川賞にしてわかりやすく(年によるけど)、面白く読めた。表題作よりも『サイドカーに犬』の方がもっと面白かったかな。一気に読める。


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