白い牛 [猫]
あ、なにしてるの!
だって、なにかいるでち(マ)
どれどれ……
これは……
マーリィ、どした?(レ) なかなか取れないでち(マ)
猫マスターがおねえさんのカップの縁に引っ掛けといたやつだな
よ!(マ)
とったどー!(マ) よくやった!(レ)
カップの中のものの正体は、おねえさんがこっそり一人であけたサングレ・デ・トロの瓶についていた、白いプラスチックの牛さんでした。捨てた瓶から猫マスターが取ってきたらしい。
マーリィちゃん、その後しばらくこの牛さんで遊んでいましたが、そのうちどこかの家具の下に入っちゃったのか、行方不明になりました。
スーパーワイルドライフ [本]
小泉武夫『漁師の肉は腐らない』読了。
尊敬する「闘う胃袋」小泉武夫先生の小説。どうも書評を観ると、評価は真っ二つだ。面白いと思うんだけどなあ、このスーパーワイルドライフの漁師さん。「本当の漁師がこんなもんだと思われたらたまらん」なんていう人もいるけれど、そんなふうに思う人はいないんじゃないかなあ。この生活の知恵の数々が本当なのか、それとも発酵学者小泉先生の発明あるいは理想なのか、それはわからないけれど、少なくとも先生が何の根拠もなく書かれているとは思えない。ただ、相変わらずこの「うまみがチュルル、チュルルと」とか「脂肪がペナペナと」という擬音語はちょっと感性が合わないけれど。
水上勉『寺泊・わが風車』読了。
小泉先生の小説が山の上の切れのいい青空を思わせるとすれば、こちらはどんよりと雲の垂れこめた日本海の雰囲気がみなぎっている。それにしても、水上勉ってきっとモテたんだろうなあ。こういう雰囲気に惹かれる女性は多いはず。寺のだいこくを題材にしたものがいつも秀逸で、悲しげで。
尊敬する「闘う胃袋」小泉武夫先生の小説。どうも書評を観ると、評価は真っ二つだ。面白いと思うんだけどなあ、このスーパーワイルドライフの漁師さん。「本当の漁師がこんなもんだと思われたらたまらん」なんていう人もいるけれど、そんなふうに思う人はいないんじゃないかなあ。この生活の知恵の数々が本当なのか、それとも発酵学者小泉先生の発明あるいは理想なのか、それはわからないけれど、少なくとも先生が何の根拠もなく書かれているとは思えない。ただ、相変わらずこの「うまみがチュルル、チュルルと」とか「脂肪がペナペナと」という擬音語はちょっと感性が合わないけれど。
水上勉『寺泊・わが風車』読了。
小泉先生の小説が山の上の切れのいい青空を思わせるとすれば、こちらはどんよりと雲の垂れこめた日本海の雰囲気がみなぎっている。それにしても、水上勉ってきっとモテたんだろうなあ。こういう雰囲気に惹かれる女性は多いはず。寺のだいこくを題材にしたものがいつも秀逸で、悲しげで。