N先輩の思い出 [映画]
明日からお休み。今年は珍しく、仕事納め(26日)をぶっちぎり、長い休みを手に入れました。今年は仕事も遊びも飛ばし過ぎたので、文句あるかという気持ちですが。
今日は道場の大納会でもあって、猫マスターは当然そっちに行きました。こちらは会社を出るのが遅くなり、しかも稽古をしないとビールも格別うまくならないので、おとなしく家に帰りました。それにしても、すごい天気! まるで台風です。
ところで、明日にはお見舞いに行こうと思っていた大学時代の先輩が、なんと、昨夜息を引き取られたという情報が入りました。かねてより胃がんで闘病されていたのが、最近脳への転移がわかり、緩和ケアを行う病院に移られたばかりだったのですが……。
先輩は、私が1年生の時に4年生(だったかな)。
東京に出て来て浮かれた私は、2年生のある日、本好きにとっての天国のような場所が神田にあると聞き、リュックと有り金を握りしめて、横浜の奥地からはるばる電車に乗って出かけて行きました。
案の定、大変な勢いで本を買って(たぶん1万円くらい。でも、古本だからけっこうな量)、重みでよろめきながら歩いていたところ、(おそらく)すずらん通りで、まったくの偶然にN先輩にお会いしました。
N先輩は、当時神田の古本屋でアルバイトをしておられました。
ずっしり重いリュックをしょって、帰りの電車賃すら危うかった私に、N先輩は神田の喫茶店でサンドイッチをごちそうしてくださいました。うれしかったなあ。
N先輩はとても優秀な方で、卒論が大学の論文集に載っています。背が高く、エキゾチックな風貌で、芸能プロダクションに所属し、役者修行をしておられました。わき役ではあるけれど、いくつかの映画ではロールアップにちゃんとお名前も載っています。
御病気が悪くなってからではありますが、出られた映画のDVDを何本か借りて見ました。吉永小百合主演の『長崎ぶらぶら節』では、ちゃんとセリフもあって、お顔を見ることができました。
先輩や同期がお見舞いに行く中、私はなんとなくためらっていました。ご本人が病んで痩せてしまった姿を見られるのが嫌ではないかしら、という自分なりの遠慮だったのですが……最近、ご本人は気にしておられないというのを聞いて、ようやく安心して入院先の埼玉の病院をお訪ねする計画を立てていたのに。遅きに失しました……。
我々のゼミの先生は早くにお見舞いにいらして、ご本人に、「言い残したいことがあったら、早めにテープなどに吹き込んでおいてはどうか」とアドバイスをされたそうです。N先輩のことだから、そういうところはきちんと実行しているかな。
「あーるみたいのがまともに会社で働いたり、通訳なんかしたりして、俺がこんなふうにぷらっぷらしているなんて……」と、いつかの同窓会で言われたことがありました。が、挫折はあれど、先輩はとにもかくにも自分の好きな道を突き進むことで人生の大半を過ごされたのではないかと思っています。
とにかく、あまりにも早いお別れでした。先輩の遺言で、葬儀・告別式などはされないとのこと。残された不出来な後輩は、心の中でひたすらご冥福を祈るよりほかありません。
というわけで、今日はスーパーの出来合いつまみで一人飲み
今日は道場の大納会でもあって、猫マスターは当然そっちに行きました。こちらは会社を出るのが遅くなり、しかも稽古をしないとビールも格別うまくならないので、おとなしく家に帰りました。それにしても、すごい天気! まるで台風です。
ところで、明日にはお見舞いに行こうと思っていた大学時代の先輩が、なんと、昨夜息を引き取られたという情報が入りました。かねてより胃がんで闘病されていたのが、最近脳への転移がわかり、緩和ケアを行う病院に移られたばかりだったのですが……。
先輩は、私が1年生の時に4年生(だったかな)。
東京に出て来て浮かれた私は、2年生のある日、本好きにとっての天国のような場所が神田にあると聞き、リュックと有り金を握りしめて、横浜の奥地からはるばる電車に乗って出かけて行きました。
案の定、大変な勢いで本を買って(たぶん1万円くらい。でも、古本だからけっこうな量)、重みでよろめきながら歩いていたところ、(おそらく)すずらん通りで、まったくの偶然にN先輩にお会いしました。
N先輩は、当時神田の古本屋でアルバイトをしておられました。
ずっしり重いリュックをしょって、帰りの電車賃すら危うかった私に、N先輩は神田の喫茶店でサンドイッチをごちそうしてくださいました。うれしかったなあ。
N先輩はとても優秀な方で、卒論が大学の論文集に載っています。背が高く、エキゾチックな風貌で、芸能プロダクションに所属し、役者修行をしておられました。わき役ではあるけれど、いくつかの映画ではロールアップにちゃんとお名前も載っています。
御病気が悪くなってからではありますが、出られた映画のDVDを何本か借りて見ました。吉永小百合主演の『長崎ぶらぶら節』では、ちゃんとセリフもあって、お顔を見ることができました。
先輩や同期がお見舞いに行く中、私はなんとなくためらっていました。ご本人が病んで痩せてしまった姿を見られるのが嫌ではないかしら、という自分なりの遠慮だったのですが……最近、ご本人は気にしておられないというのを聞いて、ようやく安心して入院先の埼玉の病院をお訪ねする計画を立てていたのに。遅きに失しました……。
我々のゼミの先生は早くにお見舞いにいらして、ご本人に、「言い残したいことがあったら、早めにテープなどに吹き込んでおいてはどうか」とアドバイスをされたそうです。N先輩のことだから、そういうところはきちんと実行しているかな。
「あーるみたいのがまともに会社で働いたり、通訳なんかしたりして、俺がこんなふうにぷらっぷらしているなんて……」と、いつかの同窓会で言われたことがありました。が、挫折はあれど、先輩はとにもかくにも自分の好きな道を突き進むことで人生の大半を過ごされたのではないかと思っています。
とにかく、あまりにも早いお別れでした。先輩の遺言で、葬儀・告別式などはされないとのこと。残された不出来な後輩は、心の中でひたすらご冥福を祈るよりほかありません。
おねえさん、元気出して(マ)
ありがとね、マーリィ