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大作家でも [本]

 日本推理作家協会 (編集), 大谷 羊太郎 (著), 和久 峻三 (著)『江戸川乱歩賞全集8』読了。

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 いやあ、長い長い。最近大谷羊太郎さんが亡くなったので読んでみたが、乱歩賞って枚数制限なかったっけ? と思うくらい長い。はっきり言ってこれが代表作ではないので、受賞作とはいえ選評で結構いろいろ言われちゃっているこの作品を読んだのはあまりよくなかったのかなと思った。時代背景もあるけれども、なんだかちょっと……和久さんの方の作品が面白かった。
 それにしても、皆川博子、山村美紗等のスターがみんな挑戦してはけっこうけちょんけちょんに言われている。今では押しも押されもせぬ重鎮にも最初のころの苦労があったんだな、と当たり前のことだがうなずいてしまった。

 嵐山光三郎『漂流怪人・きだみのる』読了。

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 当時としてもたいへんなインテリだし、高等遊民といってもいいような人物ではあるが、子供を連れまわして義務教育を受けさせなかった罪は深い。ミミちゃんがとても賢い子供だったからよかったようなものの……なんだかんだ言っても、みんなと一緒に一定時間教室に座って授業を受けられるというのは大事なことだ。そうでなければもう少し評価が上がっている人かも。ただまあ、三好京三『子育てごっこ』の方にもいろいろ問題があったことはわかった。


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