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したたか女と生真面目女 [本]

 有吉佐和子『芝桜』読了。
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 作者は別に花柳界に関わりのある人ではないと思うのに、この細やかな取材! とんでもない作家だったんだと思う。無学文盲だがぞっとするほど利にさとい、典型的なしたたか女の蔦代(その名の通り絡みついて離れない)と、なまじ没落お嬢様で字が読めて生真面目なばかりにその巧妙さに絡め取られていく正子。背景の戦前・戦中・戦後の時の移ろいの中で、このふたりの生き方がくっきりと際だって、まさに名人芸。これも、舞台になったのかな。こんなの書くお母さんがいたら、やっぱり辛いだろうなあ。
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タグ:有吉佐和子
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