お休みだし、2冊

　キリンビール大学太田垣晴子『ビールでいただきます！』読了。

　web上の大学講義シリーズを書籍に再構成したもの。
　前期・講座1で、「とりあえずビール！」という言葉はビールに失礼だというのが出てきて、まあこれには賛成。だって、まずは何はともあれ「ビールが飲みたい！」と思ってお店に入ることって多いのに、これではあまりの前座扱い。喉の渇きを潤して、勢いをつけてくれるビールに対する敬意が感じられません。まあ、つい、言っちゃいますけど。このほかの部分には、あまり驚かされることやなんかがなくて、ちょいと平凡。webでちょこちょこ見ていけば面白いのかも知れないけど、あまり意外性がなくて、おそらく買ってまでは読まないだろう本でした。それとも、酒飲みにはすでにこのくらいの知識は必要ないのか？
　松井今朝子『家、家にあらず』読了。

　もう、感心するほかない、このディテール。京都の老舗料理屋に生まれて大学・大学院と歌舞伎の研究をして、その後も歌舞伎関連のお仕事に携わっている作者だから書ける小説、と言えば簡単だけど、その知識をしのぐあまりあるドラマ作りの才能に、脱帽してしまいます。勉強になるけど、説教臭くは決してない。このさじ加減が難しいんだろうなあ。たくさんの女性のキャラが出てくるけれども、みなとても生き生きしている。

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