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3カラット [本]

 松本清張『絢爛たる流離』読了。
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by Amazon

 どういう訳か、文庫本の表紙の撮影を忘れて、図書館に返してしまった……。
 ダイヤの指輪がところどころに、文字通り輝きながら登場する連作短編。ほとんどがどろどろとした愛憎劇による殺人事件なのに、最後の物語だけがちょっぴり切ない終わりになっているのがまた巧い。最後の短編の犯人は、何となく「つかまんなければいいなあ」と思ったりする。3カラットのダイヤは日本から海を渡って朝鮮にも行ったし、日本国内でも上田やら湘南やら福岡やらいろんなところに転がっていくが、殺人の動機自体はダイヤとはあまり大きく関係がない。ダイヤに頼らない演出も心憎い。
 やっぱり巨匠、すげーなー。

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