観たり、読んだり

　中国東京映画祭のチケットをもらったので、水曜日の晩に友人を誘っていってみました。今年は上映作品が少ないし、なんか渋谷のマイナーな映画館でやっている。ほんっとに今年の国交正常化四十周年は……で、観たのはパトリック・コン監督『Mr.＆Mrs.シングル』。

　この写真だとそうでもないけれども、主人公の香港の俳優さんは、バナナマンの痩せてる方を太らせて脂っこくしたかんじ。昔、香港の男の子ってこんな髪型が異常に多かったなあ。女優さんはみんなキレイだけど、日本の80年代のトレンディドラマっぽいつくり……まあ、それなりに面白かったけれども。

　夏目漱石『草枕』読了。

　あれ？　これ、読んでなかったかも。でも、この間読んだ『草枕の那美と辛亥革命』のほうがずっと面白かった。ちょっと肌合いが合わない。

　木村榮一『ラテンアメリカ十大小説』読了。

　まさにラテンアメリカ文学の入門書で、なかなかよいと思う。ここに紹介されているのは本当に代表的な作家さんばかりで、おそらくラテンアメリカ文学ブームの時に、ほとんどすべて読んでいるが、今頭に残っているのはガルシア・マルケスだけ。多分、あのときは「魔術的リアリズム」について行けていなかったのかも。今も着いていける自信はないが、この本を先に読むべきだったかも。

　長岡弘樹『傍聞き』読了。

「かたえぎき」なんて、読めないなあ。面白いけれども、全体的にあまりによくできすぎていて、終わると、「こんなのアリかよ」と思ってしまう。事実は小説よりも奇なり、という事件がたくさん起こっているので、「ない」とは言えないと思うけれど。

　奥田英朗『純平、考え直せ』読了。

　なるべくして不良少年になり、ヤクザの杯を受けた21歳の若者が、兄貴分の留守に親分から鉄砲玉を命じられてからの数日間を描く。やっぱり、おもしろいなあ。で、歌舞伎町のよくある風俗やヤクザ・水商売世界の中に、ネットの世界をプラスしたのがまた新鮮。って、こういうのももうあっという間に古くなるけれど。

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