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実は [本]

 劉徳有『日本語と中国語』読了。
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 実は、この著者の方の講演会が今日あって、そのあと飲んで午前様なのである。
 著者は、大連生まれで、光明日報の日本特派員などを長年勤め、毛沢東、周恩来等並み居る中国の要人の通訳を務めた、中国文化部の元副部長というたいへんな重鎮なのである。当然、とんでもなく素晴らしい日本語をお話になるし、このご著書も、日本語で書かれたもの。言葉というものに対する観察力の鋭さもさることながら、この仕事に対する真摯な愛が伝わってくる。遠く及ばないが、中国語学習者の末席を汚す身としては、実にためになる本(とか言って、図書館で借りて読んでいます。買えよ、まったく)。
 ほんのちょっとだけお話をする機会もあったが、そんなとんでもない13億分の何人というとんでもない重鎮であるにもかかわらず、ものすごく気さくで、気配りのある、本当に素敵な方。ファンが多いのも頷ける。
 こういうすごい人ほど、自分の失敗談なんかをおもしろおかしく話してくれたりする。それにしても、昔の共産党の大幹部連中は、毛沢東、周恩来をはじめとして、とっても優しい。通訳が困っていると、日本生まれの寥承志なんか、助けてくれたりしたという。こんな人の前で通訳をしたらさぞや緊張するだろうに、その上そんなことまで!! 自分なら気を失いそうな……っていうか、尻まくって逃げているな。
 今日の講演会では、もう一つ感激することがあった。
 何度繰り返し読んだか分からない『サンダカンの墓』『サンダカン八番娼館』の作者、山崎朋子女史が来ていらしたのである。仕事の合間を縫ってささっと近づいて、お名刺を交換させていただいたりして。昔暴漢に傷つけられた頬の傷を未だに長い髪で隠していらっしゃったが、お年を召したとはいえ、美しい方でした。「何かあったら、FAXは24時間ですから」とおっしゃってくださって、感激。田中絹代が年老いたからゆきさんを熱演した今村昌平監督の『望郷』は、文革当時の中国で公開を許された数少ない日本映画の一つなので、若い子でもけっこうタイトルぐらいは知っているのです。
 もう、嬉しくて嬉しくて、ついつい上司と二次会やっちゃいました。

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ふうーん、猫にはよくわかんないけど(福)

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おねえさん、地道に働いていると……(モ)

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いいこともあるのね(コ)
みんな! ありがとう!![ぴかぴか(新しい)]

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[猫]おまけ[猫]

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猫型キーリング。ドイツのデザイン。廃盤になるってんですごく安くなっていたので買っちゃいました[揺れるハート]

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コメント 4

タッジーマッジー

いいコトいっぱいありましたね♪
こういう出会いってあるもんなんですねぇ。
職場に、某人気作家さんがいます。今月でやめちゃうけど。
あまり作風が好きでないので、
ただ仕事いっしょにしてるだけですが^_^;
by タッジーマッジー (2010-09-18 09:31) 

あーる

感無量でした。
映画にあったボルネオのからゆきさんのお墓にも、自分で行ってしまったくらいだったので……
by あーる (2010-09-18 19:32) 

チャコ&ミニ

あーるさん、いいお仕事しておられるようですね。
仕事で喜びを感じられるってステキなことです。
猫型キーリングは自分へのご褒美ですね。
by チャコ&ミニ (2010-09-19 12:12) 

あーる

ありがとうございます。
東京で働いていると、確かにいろいろな人にお会いする機会はあるのですが、なかなか今回のようなチャンスに恵まれることはありません。
キーリング、定価2,100円が500円になっていました!!
by あーる (2010-09-19 13:06) 

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