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また2冊 [本]

 重松清『定年ゴジラ』読了。
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 以前、NHKの水曜の夜ドラマでやっていたのを、1回だけ見たことがある。主人公は確か、寺田農でした。
 最初の所は、ドラマと一緒で、「なんだかなあ」だったが、だんだんと引き込まれた。「ニュータウン」と呼ばれる場所に、定年になって初めて埋没し始めた男たち。「まち」は生きている、ということを実感させる作品。
 確かに、作ってしまったものについて、住民不在で評価するのは、卑怯な「後出しじゃんけん」には違いない。この言い方が面白かった。

 続いて、松井今朝子『円朝の女』読了。
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 維新後の激動の時代を生きた落語の名人を巡る女たちの話。ここでは、落語名人三遊亭円朝は、あくまで狂言まわしに過ぎず、実際、その程度の強度のキャラ。噺家自身もそうだが、女たちも悲しい運命を辿るのが、ちょいと寂しい。そういう意味では、花魁の話が一番よかったかも。気っぷがよくて、廓育ちで。時代遅れ菜人間には違いないが、その時代に疑問を持っていないのは、いっそすがすがしいかも。

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