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むかしの味 [本]

 勝見洋一『中国料理の迷宮』読了。

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 尊敬する谷崎光さんのブログで紹介されていて、読んだが、単なるお料理の紹介ではなく、料理の変遷を通じて中国の過去・現在・未来を見ていく深い洞察の本。
 池波正太郎に『むかしの味』という本があって、これは鬼平犯科帳などに出てくる江戸時代から伝わる味を紹介しているが、中国は、連綿と料理の歴史が続いているにもかかわらず、文革という大きな災厄で一度すべてをぶちこわし、強制的に全人民が不味いものを食うことを強制された時期があるのが大きな特徴であり、不幸だ。
 そして、なぜか激辛ブームの現在(確かに、四川料理大流行)の傾向もあり、「むかしの味」がどんどん廃れていってしまうという危機もある。
 昔は、ちょっと自分の住んでいるところと味が違うと、すぐに持参の豆板醤をぶっかけられたり、すぐ「中国は違う!」と、自分の住んでいる地方をいかにも代表のように振りかざすのでなんて面倒くさい人たちなんだと思っていたが、この本を読むと、これも故あることであると納得できる。最近はみんな、何でも食べてくれて助かるけど。
 昔、残業食をもそもそ食いながら読んだ西園寺公一の『中国グルメ紀行』とはまた全然違う本でした。

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