最後がちょっと

　中津文彦『遠野物語殺人紀行』読了。

　最近亡くなったニュースが出たことから、初めて読んでみました。なるほど、岩手県出身者なのだな。けっこういい感じで進行していたのだけれど、最後がちょっと物足りない。もっと悲劇的な終わり方にもっていっても良かったような気もするのに。それにしても、いわゆる「サンカ」のような人たちにはいまだに戸籍がなかったりするのだろうか？　作品自体は1986年のだからずいぶんもう古いけれども。

　東北をこよなく愛する会『東北力』読了。

　まあ、いいとこどりのダイジェスト。入門編としてはいいと思うけれど、震災後のチアアップ企画とはいえ、何のマイナス面も書かずに、それですむものかなあ。ほかのことはたいて知っている話ばかりなので、第四章　時代を読む産業力のところが一番面白かったかも。あと、郷土料理、福島の「こづゆ」を書いたら宮城の「おくずかけ」も紹介しなさい！　と、結局、当事者にとっては不満の残る内容になるのは仕方ないかな。

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タグ：遠野物語殺人紀行 ミステリ 中津文彦 物故作家