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今年読んだベストテンに入りそう [本]

 ヴィカス・スワラップ『ぼくと1ルピーの神様』読了。
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 インド人外交官に、処女作でこんな面白い本を書かれちゃうと、腰が抜ける。映画『スラムドッグ$ミリオネア』の原作だが、映画はほとんどこの物語をヒントにしただけなんだな、というくらい、ディテールも何も全然違う。映画もかなり面白くて、ラストで号泣したのに、この本は、泣かないけど、こっちの方が絶対面白い。
 これを読むと、インドは「何でもあり」の国だなあ、と今さらながら思うが、それが現実なのですごいし、行ったものにとってはそれもリアリティがある。とにかくこの主人公の、純粋ながらもしたたかな生き方、そしてラム・ムハンマド・トーマスという三つの宗教の融合した名前が、インドそのものを体現している。それで、きっちりエンタテインメントに仕上がっているし、なんだってこんなすごい作家がいるんだろうと思ってしまう。
 著者紹介はインド北部ウッタル・プラデーシュ州生まれ。弁護士の家庭に育ち、アラハバード大学で歴史学、心理学、哲学を学んだ後、外交官となり、トルコ、アメリカ、エチオピア、イギリスに赴任。現在は南アフリカのプレトリアに赴任中、とあるが、年齢等はない。2008年に2作目の小説Six Suspectを刊行しているらしい。早く読みたいなあ。何語で書いているのか知らないが、さっさと翻訳を出してほしいなあ。

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JUNJUN

スラムドッグ$ミリオネア、私も最近見ましたよ☆
やはりあーるさんの記事で読んでからですけど。
原作とは細部が違うとは聞いていましたが、別物だと思った方がよさそうですね。
ああ、私もインドに行ってみた~い☆
by JUNJUN (2010-10-10 22:23) 

あーる

そうですね。ほぼ、別物です。
考えてみると、まともなインドの小説(インド在住のインド人が書いた小説。アメリカ在住の印僑とかじゃなくて)って読んだことがなかったかも。こんなに面白いとは思いませんでした。大当たり!
by あーる (2010-10-10 23:59) 

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