克服できないもの [本]
小田実『小田実全仕事05 冷え物/羽なければ』読了。
二段組みの部分が多く、かなりの分量。淡々と書いていくタイプの小説。
関西で生まれ育ったわけではないので、「差別」の構造はわかって、肌でそのままは読み取れない部分もある。ただ、きっと小田実がこの頃こんなふうな小説を書いて、さらにそれを批判する手紙がどこかから来て……という構図を、おそらくいまだに誰も克服していないのではないだろうか。そんな気のする小説。
土方鉄の批評も読んだけど、そんなふうに言ってもなあ、って感じで、小説そのものはとても力強くて面白かったのだけど。ただ、中上健次なんかに比べると、同じような底辺の人々を書いても、どうしても理屈っぽくなるのは否めないかも。決して読みにくくはないのだが。
二段組みの部分が多く、かなりの分量。淡々と書いていくタイプの小説。
関西で生まれ育ったわけではないので、「差別」の構造はわかって、肌でそのままは読み取れない部分もある。ただ、きっと小田実がこの頃こんなふうな小説を書いて、さらにそれを批判する手紙がどこかから来て……という構図を、おそらくいまだに誰も克服していないのではないだろうか。そんな気のする小説。
土方鉄の批評も読んだけど、そんなふうに言ってもなあ、って感じで、小説そのものはとても力強くて面白かったのだけど。ただ、中上健次なんかに比べると、同じような底辺の人々を書いても、どうしても理屈っぽくなるのは否めないかも。決して読みにくくはないのだが。
コメント 0