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出来る女 [本]

 蜂谷涼『はだか嫁』読了。

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 連作短編だが、すごく面白かった。
 何しろ、読み始めてすぐにヒロインにものすごく肩入れしてしまう。ついつい応援したくなってしまう。
 だが、単純な「がんばりました」物語ではなくて、その中に夫との関係、将軍のご側室との交流、そしてちょっとしたミステリ仕立てのストーリーなどがたくみに織り込まれていて、最後まで余韻を残す。とてもよく出来たエンタテインメント。この人の作品は、もう少し読んでみたい。


 小池真理子『ひるの幻 よるの夢』読了。

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 短編集。ミステリではなく、日常の中の、高齢者の恋愛あるいは高齢者との恋愛をテーマに据えた一冊。面白いけれど、あまりに抑制の中でのエロス。谷崎潤一郎くらい開き直ってはじけてもいいかなー、と最後まで読んだ後に思った。あとがきを中国人の文芸評論家の人が日本語で書いている。ちょっと興味アリ。


 加藤隆則『中国社会の見えない掟 潜規則とは何か』読了。

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「潜規則」という中国語をちらほら聞き始めたのはいつごろからだったか。「暗黙のルール」というような意味で、これは当然日本を始めたとする他の国の社会にも存在するものだけれども、このルールが恐るべき力をもって存在する中国の状況を紹介した本。近著なので、温州の高速鉄道事故の事故車両を埋めようとしたこと等、たくさんの事例が挙げられていて非常に分かりやすい。薄熙来失脚事件まではまだ追いついていないかな。鋭い分析で、かの国の社会の理解の一助になるけれども、いきなりこの本から中国を理解しようとし始めたら、恐ろしくて近づけなくなるかも。



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