SSブログ

共通点はあれど [本]

 荒木源『骨ん中』読了。

 
2013030103.jpg

 東北の架空の田舎町を舞台とした三代にわたる一族の栄枯盛衰の物語。何度もどんでん返しがあって飽きさせず、重厚な話。猟銃が出てくる辺り、ちょっと『華麗なる一族』みたいだけれど、もっと泥臭い。
 これがデビュー作って、すごいかも。

 孔枝泳『トガニ 幼き瞳の告発』読了。

2013030812.jpg

 これも蓮池薫さん訳。地方の私立の聴覚障害者学校で起きた、身の毛もよだつ教師による生徒への性的暴行事件。実際の事件を元にしているらしいが、これも地方の名門一族への告発の物語。司法の中立ってものすごく大事だと思うけれど、国によっては血縁・地縁がそれに勝っているのだなあ、と思う。これじゃあ、韓国もミステリの成立しづらい国になってしまうけど、映画『黒く濁る村』もこんな感じだったしなあ。



nice!(3)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 3

コメント 2

RuddyCat-Lalah

『骨ん中』、この本は読んだことはありませんが、
『東北』、『三代にわたる一族の栄枯盛衰』といわれると
奥州平泉藤原家をイメージしてしまいます。
by RuddyCat-Lalah (2013-03-09 08:27) 

あーる

RuddyCat-Lalahさん
藤原氏だと、『炎立つ』ですかね。昔ミイラを見て感動しましたが。どっちかというとこれは、悪く言うと『野生の証明』の地方の有力者の歴史って感じです。
by あーる (2013-03-09 09:23) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0