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夢中になるということ [本]

 いしいしんじ『トリツカレ男』読了。

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 何かにトリツカレてしまうと、それ以外一切目に入らなくなってしまう男。日常的にいたらはた迷惑だけれども、この物語の中では本当に愛すべき人物で、誰もが思わず微笑んでしまうような、そんなトリツカレ男。深さの違いはあれど、「マイブーム」なんてもんじゃない。こんなふうに、なりふり構わずとにかく自分の世界を突き進むような趣味を持つのは(すでに趣味とは言えないのかも知れないが)、それはそれで案外難しいものだ。
 それにしても、やっぱりいしいしんじ先生の本は、とても面白いのだった。



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