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それでも読んでいる [本]

 いろいろあって帰省しながらも、やっぱり、一人になったら本を読むのです。

 遠藤誉『中国動漫新人類』読了。
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 学生時代に読んだ『チャーズ』で、中国共産党の抗日戦争の光と影を鮮明に見せてくれて、私や当時の親友を大いに驚かせてくれた遠藤先生のご著書。昨年、中国人大学生の日本語スピーチコンテストでいい線までいったコが、「私、日本で声優になりたい」と言ってびっくらこいてからはや1年。彼女は夢を実現すべく、来日して専門学校に通っているが、何が驚いたと言って、そのまま中国語で「声優(shengyou)」という単語が飛び出したこと。「播音員」とかじゃないんだ、すでに。
 この本では、日本のサブカルチャーの伝播が、当時貧しかった中国の子供たちがお小遣いで買えた海賊版によって自発的にどんどん浸透していったこと、「たかが漫画」とたかをくくって野放しにした中国政府がその影響力に驚き、パクって教育的なアニメを作っても誰も見向きもしなかったこと……など、爽快なエピソードがたくさん紹介されているが、江沢民時代の極端な愛国教育と「酷日本(Cool Japan)」への憧れの間の板挟みになる中国の若者のジレンマなどもその背景を合わせてきちんと書かれていて、さすがなのです。60歳過ぎて『スラムダンク』全巻読破って、研究のためとはいえたいへんだよなあ。

 新風舎文庫小説アンソロジー『ふたり』読了。
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 書けといわれて書けるものではないのだと思うけど、あんまり面白くなかったなあ。時折、アイディアはいいと思うが文体が何となく稚拙に見えてしまう。対象年齢が違うのか?

 池波正太郎『剣客商売十二 十番斬り』読了。
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 父がたくさん買い込んでいる『剣客商売シリーズ』の一冊を、帰省中に読み終えた。秋山小兵衛は、考えてみれば今の加藤茶も真っ青だな。安心して読めるし、ところどころ美味そうなものが出てきて、円熟したエンタテインメントだよなあ。

 レニー・エアース『闇に濁る淵から』読了。
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 翻訳物ミステリは、母親の趣味だな。書斎から引っ張り出してきて読む。イギリスを舞台とした長編ミステリで、異常者による連続殺人を描いているが、魅力的なキャラクターもいるものの、長すぎた。犯人がわかってからが、ちょっと長いんじゃないかなあ。

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