まさに、女傑! [本]
奥野修司『ナツコ 沖縄密貿易の女王』読了。
戦後6年間という短い時間でありながら、沖縄に島中が密貿易に奔走し、これほど魅力的な女性が駆け抜けた時代があったというのは、恥ずかしながら全然知らなかった世界だった。今は那覇に比べ、寂しい印象のぬぐえない糸満だが、かつてここのウミンチュたちがこぞって密貿易に精を出し、ボロ儲けをしていたなんて! それにしても150センチほどの小柄な子持の未亡人に、大の男がみなペコペコ従ったというのだから、この金城夏子さんとはどれほど頭がよく、行動力があって、魅力ある人だったのか。すごい、の一言。
記録という記録がほとんどない中で、丹念に取材をした作者の労作にも脱帽、の一冊。
今井今朝子『三世相』読了。
面白くて爽やかで、あっという間に読めちゃう連作短編集。この主人公を扱った作品はこれが一冊目じゃないんだろうな、というのが唯一残念。ちゃんと一人の作家を系統的に読まずに、あるものを手当たり次第読むからそうなっちゃうんだけれども、初登場のところから読みたかった。「鮮やかな」とか「見事な」とか、手垢のついた表現しかできないが、実際そうなんだものな。
戦後6年間という短い時間でありながら、沖縄に島中が密貿易に奔走し、これほど魅力的な女性が駆け抜けた時代があったというのは、恥ずかしながら全然知らなかった世界だった。今は那覇に比べ、寂しい印象のぬぐえない糸満だが、かつてここのウミンチュたちがこぞって密貿易に精を出し、ボロ儲けをしていたなんて! それにしても150センチほどの小柄な子持の未亡人に、大の男がみなペコペコ従ったというのだから、この金城夏子さんとはどれほど頭がよく、行動力があって、魅力ある人だったのか。すごい、の一言。
記録という記録がほとんどない中で、丹念に取材をした作者の労作にも脱帽、の一冊。
今井今朝子『三世相』読了。
面白くて爽やかで、あっという間に読めちゃう連作短編集。この主人公を扱った作品はこれが一冊目じゃないんだろうな、というのが唯一残念。ちゃんと一人の作家を系統的に読まずに、あるものを手当たり次第読むからそうなっちゃうんだけれども、初登場のところから読みたかった。「鮮やかな」とか「見事な」とか、手垢のついた表現しかできないが、実際そうなんだものな。
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