ノンフィクションだけれども

　佐野眞一『別海から来た女　木嶋佳苗悪魔祓いの百日裁判』読了。

　先頃死刑判決を受けた連続結婚詐欺殺人女の木嶋佳苗を追ったノンフィクション。言いしれぬ不気味さは伝わるが、生い立ちを丹念に追うのはいいとして、なんだか偏見・先入観を人に植え付けていくような感じを受ける。このあたりが、橋下徹さんにもカチンと来たんだろうなあ、相当。で、その分この犯人のキャラは全然伝わらない。実際、得体の知れないキャラクターなのかも知れないけれど。ブス・デブ・無職でも自分に自信を持てばけっこうなことが出来るのだな、という感想はあり。

　坂井希久子『秘めやかな蜜の味』読了。

　カテゴリとしては官能小説なのかなあ、これは。いや、違うなあ。格調高いし、あんまり怖くないけど幻想的で楽しめる連作短編だった。本当に、女王はジャンルを選ばなくて、すごいな。

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タグ：佐野眞一 ノンフィクション 別海から来た女 坂井希久子 秘めやかな蜜の味 連作短編

コメント 2

別海から来た女、興味あります、うちの図書館にあるかな。
by OMOOMO (2012-12-03 10:18) 

OMOOMOさん
彼女については、作者が理解できなくて苦しんでいるような感じがします。だからといって、出自にばかりその手がかりを求めるのも、どうかなあと思ったりして。
by あーる (2012-12-03 12:37)