芸術は難しい [本]
千住博『絵を描く悦び』読了。
「花福日記」で紹介されていた本を借りて読んでみました。芸術系の大学で教鞭を執る作者の講義内容を「本にできないか」ということで作られた本。どちらかといえば話し言葉のような平易な文章で綴られているし、決して難解な本ではないのだが、手強い! っていうか、凡人にはやっぱりついていけない。
さあみんな、下手くそでもいいから絵を描いてみようよ! なんていう甘っちょろい本では全然ない。何しろ最初の章が「何を描くか」じゃなくて「何を描かないか」だもの。ものの形を捉えることより、ものの隙間が描けるかどうかだもの。
おそらく芸術を志して芸大なり京都造型芸術大学なりに入学した人たちは、その時点ですでにある種他人に抜きん出た技術(才能かどうかわからないけど)は持っているだろうから、この講義についていくことがある程度できるのだと思うけど、凡人はあっという間に周回遅れだ。面白い本だとは思うけど、ツールドフランスの選手の手記を読むサンデーチャリダーというか……そういうはるか遠い世界を仰ぎ見た気持ちになってしまいました。決して悪い意味じゃないんだけど。
「花福日記」で紹介されていた本を借りて読んでみました。芸術系の大学で教鞭を執る作者の講義内容を「本にできないか」ということで作られた本。どちらかといえば話し言葉のような平易な文章で綴られているし、決して難解な本ではないのだが、手強い! っていうか、凡人にはやっぱりついていけない。
さあみんな、下手くそでもいいから絵を描いてみようよ! なんていう甘っちょろい本では全然ない。何しろ最初の章が「何を描くか」じゃなくて「何を描かないか」だもの。ものの形を捉えることより、ものの隙間が描けるかどうかだもの。
おそらく芸術を志して芸大なり京都造型芸術大学なりに入学した人たちは、その時点ですでにある種他人に抜きん出た技術(才能かどうかわからないけど)は持っているだろうから、この講義についていくことがある程度できるのだと思うけど、凡人はあっという間に周回遅れだ。面白い本だとは思うけど、ツールドフランスの選手の手記を読むサンデーチャリダーというか……そういうはるか遠い世界を仰ぎ見た気持ちになってしまいました。決して悪い意味じゃないんだけど。
ひえ~、げいじつ家は、ものを描かず、もののすきまを描いていたのかっ(^^;)
by のらん (2011-07-24 14:48)
のらんさん
私も、目から鱗でびっくりしました! 西原理恵子さんの漫画に、「うまい人のデッサンは、絵の中から風が吹いてくるような気がする」という表現がありますが、その辺に秘密がありそう。わかったところで真似はできませんが。
by あーる (2011-07-24 18:39)
西武デパートで千住博さんの絵を見ました。滝の絵が6000万7000万でした。ついてけな~い。
by OMOOMO (2011-07-24 20:00)
OMOOMOさん
日本画は確かに画材だけでもすごく高価だったりするらしいですが……たいへんな値段ですね。でも、日本画だけで食べていける人って、日本で二桁いるかどうかみたいな話も聞きます。芸術家はキビシイ……。
by あーる (2011-07-24 20:43)
線が多い、どれが一番描きたいのかよくわからない、と、
ダメ出しされ続けてン十年です。
何を描かないかを判断するのは、とてもとても難しいです。
by りる (2011-07-25 02:49)
りるさん
何でも描けばいいってもんじゃないんですね、きっと。ただがむしゃらに何でもかいていればいいのかと思ったら……奥が深くて、たいへんな世界です。
by あーる (2011-07-25 12:32)
友人がしばらく千住さんについていたのですが
妙につるつるになってしまって、それはそれで…という世界です。
でも、日本画は比較的食べていける方なんですよ…(^^;
by ネム (2011-07-25 14:35)
ネムさん
そうなんですか。以前骨董関係のミステリを読んだときに、厳しい世界だと聞いたもので……つるつる、とは難しい表現ですね。
by あーる (2011-07-25 18:39)