嫁き遅れるということ

　明野照葉『家族トランプ』読了。

　まあしょせんは東京人のことではある。早々と家を出てしまって、失敗したとは言え早々と結婚してしまった人間にはあまり縁のない世界のことだった。自宅から三十幾つまで経済的に自立もせずに会社に通うなんて、とても考えられない。話としては爽快感もあり、面白かったのだけれど。実際、東京下町育ちのお姉さん達はさっぱりとしてこんなふうな人が多いように思う。

　つげ義春ほか『山野記』読了。

　まあ、わかっていたのだが、まるっとつげ義春ではない。で、あんまり行きたくならない紀行文がずらっと並んでいるので、ちょっと退屈。つげさんの秋山村紀行はやっぱり、なんか良かったけれども。

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