3.11関連２冊－－やり遂げた人たち

　森安章人『SOS! 500人を救え! ―3・11 石巻市立病院の5日間―』読了。

　あの日の津波にやられて500人が取り残され、その全員をDMATと呼ばれるドクターヘリや自衛隊のヘリで避難させた石巻市立病院の医師たちの奮闘記。涙なしには読めないが、現場のプロとして奮闘した医師や看護師等それぞれの人たちの職業意識には頭が下がる。ただ、「こうなったら中国では暴動が起きている。コンビニで食料を調達してこないと！」と出ていこうとした中国人医師の気持ちもまた、わかる。そうなんだよなー、確かにそうしたほうが個人としては強いんだけど、日本人は集団としての強みを発揮するんだよなあ。病院の緊急時のトリアージの仕方など、いろいろ興味深い内容も満載。

　河北新報社『河北新報のいちばん長い日　震災下の地元紙』読了。

　これはもう最初から最後まで泣きっぱなしで読んでしまった。新幹線の中でぼろぼろ……。
　あの災害の中で本社は無事とはいえ、新聞を出し続け、地元の目となり耳となって活躍した地元紙、河北新報。うちじゃとってなかったんだよなあ。版下づくり等の機械が使えなかった時に、新潟日報が手を差し伸べてくれた、全国各地の様々な地方紙が差し入れやいろいろな形で協力してくれたり、新聞業界には非常な美風のあることがわかった。仙台に戻って住むことがもし万が一あれば、取らしていただきます。
　自らも被災者でありながら、また、被災者であるからこそ書ける記事や役立つ記事を提供し続けた河北新報には、本当に敬服。

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